












登山道や動物の足跡を3Dスキャンし、そのデータを等高線に変換して、岩絵具でトレースした作品を制作しています。道はその土地の歴史や文化を内包して変化し続けます。それをなぞることは、歴史や文化を追体験するようでもあります。日本画の制作において転写(トレース)はよく行う作業です。登山文化においては、「トレース」は、雪道を歩いた足跡のことを指します。最近は岩絵具の中でも水晶末を使ってます。水晶は水中に含まれる成分が長い時間をかけて結晶化したものです。水晶を選んでいるのは、僕の個人的な経験からです。子供の頃によく石英(水晶より純度の低い鉱物)をよく拾って集めていました。半透明のキラキラする白い鉱物に惹かれるものがあります。全てが情報化される現代における、その土地の忘れられ記録に残されない記憶を、等高線という地図の記号をトレースする過程で生まれる、岩絵具のにじみやズレ、重なりとして結晶化させます。
2016 筑波大学芸術専門学群美術専攻日本画コース 卒業
2018 筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻日本画領域 修了
<主な展示>
2017 第3回石本正日本画大賞展 準大賞(石正美術館/島根)
2021 中之条ビエンナーレ2021(岩本稚蚕飼育所/群馬)
2024 第9回 トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展 明日の日本画を求めて(豊橋市美術博物館/愛知)
2025 極寒芸術祭(昭和遊郭美術館/北海道)
Diffusion of Nature 2025 距離のゆらぎ(GASBON METABOLISM/山梨)
<滞在制作>
2021 中之条ビエンナーレ2021(群馬)
2023 雲ノ平アーティスト・イン・レジデンスプログラム2023(富山)
2024 極寒芸術祭(北海道)
2025 MORIUMIUS(宮城)
<助成>
2019-2020 河野文化財団 助成事業
2020-2021 河野文化財団 助成事業
2022 吉野石膏美術振興財団 若手日本画家に対する展覧会助成
<収蔵>
筑波大学 石正美術館 行縢神社
