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柳 詩郎

Yanagi Shiro

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私は普段は大子町、常陸大宮市といった茨城県北、奥久慈地方で漆掻き職人として生活しています。 採取した漆で陶器に漆を塗って器を制作したりもしています。この度の数多の祭りでは漆を採る人間でもあり生活雑器も作る人間として、かつての国府があった石岡市、常陸国総社宮で何を表現できるのかについて、言葉で考えてみました。

色々と寄り道が多くて困っていたのだが、少しずつ出てきた輪郭をなぞって補助線を引くと、概ね私は自分が作り生み出したものを通して、「この地で生きること」の意味のようなものを「かたち」にして解釈しようとしているのかもしれない。

生まれ育った土地は人それぞれに異なるが、私にとってそれは北関東の、いわゆる地方の農村地帯だ。その自然環境や風習、文化のようなものは、私にとっては「呪縛」であるとかつて考えていた。

この地が「世界」と比べて特別だとは、今も思っていない。 日々を過ごしていると、どこにでもある日本の地方の風景がただ広がっているようにも見える。 けれど、少し立ち止まったり、野山を歩いてみたり、人々が脈々と続けてきた暮らしの痕跡に耳を澄ませると、 この平凡に見える場所にも、ここにしかない物語や文化が確かに息づいていることに気づく。 それは、世界のどこにもない、完全にオリジナルな「この地のかたち」だ。 その稜線は少しずつ現れ、やがてはっきりと姿を現すのかもしれない。

そのような呪縛と祝福を受けながら、私は今日もこの地で生き、作品をつくる。

2009 茨城大学教育学部教員養成課程美術選修卒業

 

2009 茨城大学美術科卒業制作展(茨城県民文化センター 水戸市)

2014 土なかま彫塑展(東海ステーションギャラリー 東海村)以後毎年出展

2017 NIGATA オフィス・アート・ストリート(新潟市)

2019 数多の祭り(常陸国総社宮 石岡市)

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